NHK トップランナー(写真家)本城直季 再放送と木村伊兵衛賞受賞について・【特別寄稿】追記
NHK トップランナー (写真家)本城 直季
再放送 3月18日(日) 19時から
写真家の本城直季。写真集では異例の大ヒットとなった「small planet」の作者だ。箱庭のような都市の風景、カラフルなコンテナが積まれた港、高速道路を走るミニカー。一見すると「精巧なミニチュア!」だが、実はすべて現実の風景。見るものが思わず目をとめるほどのかわいらしさを持つ。番組では、都市や人間を新たな視線で切り取る「本城スタイル」が生まれた過程と、その姿勢を貫く写真家としてのこだわりを聞く。
■知人からメールがあって知り、今日の再放送も見ましたが、昨年12月と同じ印象です。
(12月2日のブログから)
◇週刊誌などで得ていた印象とかなり違い、なかなか好感が持てました。
気になっていたカメラ名はやはり国産の「TOYO FIELD」で、こういった4インチX5インチ大判カメラのことを「シノゴ」というのかな?
「あおり」tilt-shift手法は独創と違うかもしれませんが、そんな議論を超越した人柄の魅力がありましたね。
スタジオ参加者(大学または専門学校生か)の真摯な態度もとてもよかったと思います。
[追記:2007.3.22]本日付の読売新聞朝刊[アート]欄に
《木村伊兵衛賞の本城氏作品で論議》海外作品と類似手法 独創性にズームアップ
という記事が掲載されている。私はもとより、かれの独創とは思っていないので、なにを今更という感がする。記事の書き出しはつぎの通りです。
若手写真家の登竜門、第32回木村伊兵衛写真賞が写真集『small planet』の本城直季氏(29)、同『うめめ』の梅佳代氏(25)に決まった。ともに、リトルモア刊で、目下8万部のヒット作だが、本城作品について、同様の手法を使う海外の写真家がいることから、受賞を疑問視する声が出ている。写真作品の独創性はどうあるべきだろうか。 (前田恭二)
参考:記事ではイタリアのオリーボ・バルビエリやドイツのマルク・レダーを取り上げているが、フィンランドのMiklos Gaalについてのmy Blogは
http://blog.livedoor.jp/enethan_fan/archives/50704043.html
Blog の中のリンクが切れているのでMiklos Gaalについてはこちら↓
http://www.herrmannwagner.com/english/01artists/
gaal/Miklos-Gaal.html
参照:my Blogの[本城直季]関連
http://always-memoir.blogspot.com/search?q=%E6%9C%AC%E5%9F%8E%E7%9B%B4%E5%AD%A3
【特別寄稿】
「独創性」という評価に対する感想ですが、個人的には本城氏の作品における独創性は撮影技法にではなく、構図や被写体選びにあると思います。同じ撮影技法を用いても「何を撮るか」によって鑑賞者に「何が伝わるか」が違ってくるのではないかと思います。
今回、本城氏の表現手法が世間に広く知れ渡った際、そのかつて見た事もない「撮影技法の妙」に私やゴリモンさん、それに私の出入りしている写真投稿サイトの皆さんは感銘を受け、少しでも氏の表現に近づこうと苦心したものですが、同じ技法で他の人の撮影したものを同じ時期に見たとして果たして我々の間にこれほどのブームが到来したかどうかについては疑問の余地があるかと思います。
よく引き合いに出されるのはミクロス・ガール氏の作品だと思いますが、彼の作風と本城氏の作風は全く違うものですし、「技法」の新しさのみで議論を尽くすのであればそれは全く本末転倒な話なのではないかと私は思います。
例えば今後「赤外フィルム」で優れた作品集を作ったとしても、そのフィルムは他の写真家がすでに使っているので「独創性が無いので賞賛に値しない」と一刀両断されなければならないのでしょうか?(少なくとも、選考委員の方たちも日和見的な素人ではないのだから選考過程に重大な瑕疵があるとも思われません。
むしろ、そういう作品が選ばれる現代という時代の世情を顧みる必要があるのかもしれませんね) それに、本城氏が過去に他の写真家の作品を見たかどうかなんてことに対する議論も全くのナンセンスだと思いますし、そんなことはどうだっていいことだと思います。
つまり、「芸術」とは先人の遺したものを踏み台にして、新たに昇華させていくエネルギーであると思っているので、同じ技法を使っても「よりいい作品」を創り出す能力を持っているものが勝者となるべきなのだと思います。
*Blog「まっしゅ★たわごと」http://blog.goo.ne.jp/mash-mash
作者:まっしゅ氏よりmixi に投稿していただいたものを転載しました。
(文中のゴリモンさんはサイドバー[箱庭いじり]参照)
Labels: small-planet, ゴリモン, まっしゅ, 木村伊兵衛, 本城直季
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