Awoo! Sooooo!!!!! So! I love you!
■田口壮オフィシャルサイト
www.taguchiso.com/
■MLB ビデオハイライト
sportsnavi.yahoo.co.jp/special/stream/mlb/2006/
■2006年10月29日
いったい何万人いるんでしょうか?
まるでセントルイス中の人が、赤い服を着て集合したような沿道。
街路樹の枝、階段、はしご、屋根。地上に立つスペースのない人々が、へ上へと登っています。真っ青な空、照りつける日差し、そこに舞い落ちてくる、赤、青、白の紙ふぶきがむちゃくちゃ綺麗。
そして、地鳴りのようなファンの声援がグオーッと鳴り響いて、鳥肌の立つような大歓迎に突入です。
(沿道のファンに、車から手を振る)程度の認識だった優勝パレード。
実際は、「アリーナ、元気か?!?」と叫んでしまいそうなロックコンサート状態でした。実際僕はトランスしてしまった危ない人のように、手を振り、脚をばたつかせ、ジャンプし、敬礼し、お辞儀をし、ガッツポーズを決め、その後はこぶしを天に突き上げながら、延々跳ねまくっていたようです。
右を向いては「ウオー!」
左を向いては「ワー!」
道の両側を埋め尽くしたファンが、それに応えて大きく揺れます。
もしこれが日本で、僕が車の後ろに立って、
「愛してるよー!」などと叫んだら一瞬で引かれてしまいそうですが、英語だとなぜか言えてしまう。いまさら恥も外聞もあるかい、という心境。
「I love you guys!」「キャアアアアア!」
いい。女の子の嬌声、いい。普段はめったに聞かんけど。
「So! I love you!」またしても女性の声に笑顔で振り向いてみると、推定70歳ほどの、昔のお嬢さん。
「I love you,too!」と返す、節操のないわたくし。
僕は感情をセーブするタイプで、喜怒哀楽があまり極端に表に出ないのですが、今日はなんだか違いました。ハナっから切れていました。調子に乗っていました。いえ、あまりにも熱すぎるセントルイスのファンに、すっかり乗せられてしまったのです。ベースボールヘブンと呼ばれる中西部の小さな町は、僕のような小心者のアジア人でさえ、暑苦しいほどの熱狂野郎に変えてしまうパワーにあふれているのでした。
2歳児のように僕が跳ねるたび、乗っていたピックアップトラックがぐらぐら揺れて大変危険だったと、荷台のヘリに座っていた両親からのちに笑われました。パレード中ずっとトラックから落ちぬよう、両腕両脚で寛をはさんでいたヨメは、先ほどから筋肉痛で倒れております。
今はそれも終わった。これですべて終わった。
パレードのあとは、ロッカーから引き上げていく選手たちと、お別れの挨拶を交わしました。何人かは、もう2度と一緒にプレーできない確信のある選手もいて、握手と抱擁にも力がこもります。でも僕たちは、2006年のワールドチャンピオンという名前の下に、またいつか必ず集まることができる。たとえ何十年後でも。そう思えばどれだけ寂しくても、「さよなら」ではなく、「またな」と言うのがきっと正しいのでしょう。
ワールドシリーズ第五戦が行われたのはたったの2日前だというのに、それからずっと長い夢の中にいるような気持ちです。
この夢の続きを来年、皆さんと一緒に見られるといいですね。
ミズーリ州セントルイスにて 田口壮
■2006年10月28日
ワールドシリーズ優勝。ライトから走ってマウンド行くと、そこにはすでに、選手の山ができつつありました。1人、また1人と重なり合って、かなり嬉しそうで、すごく苦しそう。(こんな大きな人たちに圧し掛かられたらヤバイ)という生命の危機を感じたので、全員が山積みになるまでとりあえず待機。そして最後に小山のてっぺんに思いっきり飛び乗りました。
ちなみに、一番下で潰れていたのはヤディー(ヤディア・モリーナ・捕手)。彼なら大丈夫、象が踏んでも壊れません。
昨夜は史上最長、2日越しの祝勝会を終え、帰宅してからはびっくりするほど多くの電話、メールをいただき、それでもまだ、現実味が沸かずに頭がふわふわしています。もしかしたらこのまま、「優勝したんや」という実感を得られないうちに、来年の春のキャンプに突入するんでしょうか。それくらい、はるか遠くの存在だった頂点。手に入れたくて仕方ないものをふと手に入れてしまうと、喜びよりも戸惑いのほうが先にくるということを初めて知りました。
ワールドチャンピオンになっても、頂点を極めた気持ちには到底なれません。きっと来年もこの感覚を求めて野球をやるんだと思います。目標が次から次へとある限り、野球が少しづつうまくなれると信じて。それでファンに喜んでもらえるのなら、プロとしてそんなに幸せなことはありません。
皆さんのおかげで、こんなに素晴らしい経験をさせていただくことができました。一年間、ご声援本当にありがとうございました。
ところでシャンパンファイトの後、ずぶぬれの選手全員で集合写真を撮ったのですが、トニー(監督)がわざわざ僕の隣までやってきて、肩を組んで写真に納まってくれました。これまでのことが報われた気がして、なんだか泣けちゃいましたよ。
ミズーリ州セントルイスにて 田口壮
■我慢・努力すべて報われた──喜びの輪に田口
勝ち投手ウィーバーと抱き合う田口=ロイター
守備位置から田口がマウンド付近で密集する仲間を目指し、全速力で駆け出した。観客席がチームカラーの赤一色に染まり、王冠が燃えているように映る。やがて、背番号「99」は紙ふぶきが舞う中、上下左右に揺れる選手の輪へ吸い込まれていった。
2か月前、ニューヨーク。球場を去る田口のもとへ、米国人の少年が近づいてきた。「ホームランって、どうやって打つの」と尋ねる子供に「ホームランバッターじゃないけどな」と苦笑いしながら、「よし。構えてみろ」。実演付きの打撃教室は20分近く続いただろうか。興奮状態で帰路につく少年の背中へ、「こういうのは一生、忘れないよな」とつぶやいた。
プロを夢見る子供たちにとって田口の存在は、きっと大きな意味を持つ。2002年、希望に胸を膨らませて海を渡ったが、傘下の3Aチームでスタート。マイナーとメジャーを行き来し、2Aチームも経験した。スター選手じゃない。はい上がれた理由は??。「腐らなかったから」と口を開き、首を振った。
「しょっちゅう、ふて腐れたな。でも、キレなかった。何度もキレそうになりながら、決して信じる気持ちは切らさなかった」
メンバーから外されるのが嫌で足の故障を隠したこと。意思疎通のために英会話の特訓をしたこと。ポストシーズン直前にこっそりバント練習を積んだこと。我慢も努力も、すべてが報われた。(田中富士雄)
(2006年10月28日13時1分 読売新聞)
■Newest Busch Stadium
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■Newest Comerica Park
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■Newest So Taguchi
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■VIDEO
★★★★★WORLD CHAMPIONS!!(田口選手映ります)
http://video.google.com/videoplay?docid=7067504165950369738&q=stlouis+cardinals
2006 st.louis cardinals video highlights
http://video.google.com/videoplay?docid=6616324226540242472&q=stlouis+cardinals
First Look Inside Cardinals Stadium
http://video.google.com/videoplay?docid=222104769947509986&q=cardinals
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